【FPが解説】医療保険って本当に必要?入る前に知っておきたい5つのポイント

はじめに:なんとなくで保険に入ってませんか?

「みんな入ってるし、医療保険って必要なんだろうな」

そんなふうに思って、なんとなく契約していませんか?

実は、医療保険が“本当に必要な人”と“実はそこまでいらない人”がいることをご存じですか?

この記事では、FP(ファイナンシャル・プランナー)の視点から、

医療保険が必要かどうかを判断するための考え方と、入る前に知っておきたい5つのポイントを解説します。

公的保障でどこまでカバーされるの?

医療費が高額になったとき、民間保険に頼る前に知っておきたいのが「公的医療保障」です。

たとえば、高額療養費制度。

これは、月にかかった医療費が一定額を超えた場合、その超過分を国がカバーしてくれる制度です。

たとえば月100万円の治療費がかかっても、実際の自己負担は約8万円程度(年収によって異なります)。

さらに会社員や公務員であれば、傷病手当金という制度も利用できます。

これは、病気やケガで働けなくなったときに、最長で1年6か月間、給与の約2/3が支給される制度です。

つまり、「入院したら破産する…」という状況には、実はなりにくいのです。

医療保険が“必要な人”と“不要な人”

医療保険が必要かどうかは、「不安の強さ」ではなく、「家計の状況」や「働き方」で判断するのがポイントです。

医療保険が“必要かも”な人:

緊急時に備えられる貯金が50万円以下 フリーランスや自営業で公的保障が手薄 長期入院の可能性が家計に直接影響する 家族にがん・心疾患の罹患歴があり、不安を感じる

医療保険が“今はなくても大丈夫”な人:

ある程度の貯金(100万円以上)があり、急な出費に対応できる 会社員・公務員で保障が整っている 若くて健康、通院や入院のリスクが低い

加入するかどうかは、「保険料を払い続ける価値があるか」を、冷静に見極めることが大切です。

医療保険に入る前に知っておきたい5つのポイント

1. 「入院日額型」と「実費型」の違い

昔ながらの医療保険は「入院1日〇〇円」という日額型が主流でしたが、最近は実際にかかった医療費を補償する「実費型」の人気が高まっています。

短期入院が増えている今、保障のスタイルが自分に合っているかを確認しましょう。

2. 更新型 or 終身型の違い

保険料が安くても、更新のたびに値上がりする「更新型」か、保険料が一定で一生涯保障される「終身型」かで総支払額は変わります。

長く続けるつもりなら、最初に少し高くても終身型の方が結果的に安くなるケースも。

3. 通院保障の有無

最近は「短期入院→通院治療」という流れが主流。

入院だけでなく、通院にかかる費用もカバーされるかが重要な判断ポイントです。

4. 先進医療特約はコスパがいい

先進医療は保険適用外の治療も多く、高額になる場合があります。

月数百円で付けられる先進医療特約は、費用対効果が高いおすすめの特約です。

5. 保険は「怖さ」ではなく「確率」で考える

「病気が怖いから」と感情で保険に入ってしまうと、必要以上の保障でムダが増えます。

自分がどれくらいの医療リスクを抱えているのか、確率で冷静に考えることが大切です。

結論:医療保険は「必要かどうか」より「自分に合っているか」

医療保険は、入っていれば安心…というものではありません。

大切なのは「今の自分に合った保障があるかどうか」です。

公的保障を理解し、自分のライフスタイル・家計状況に合わせて選ぶ。

それが、後悔しない保険選びのコツです。